産地のお話



2,000もの畑が広がる紅参の生産特区。

 高麗人参を育てるには様々な自然条件をクリアしなくてはならず、これまでにも世界各地で栽培が試みられてきましたが、成功例はごくわずか。本場韓国でも栽培に適した土地を丹念に選定したうえで、肥えた土壌をつくるところから始めなければならないほどです。
 そんな自然条件を満たす地域として有名なのが、韓国の全羅北道鎮安郡。海抜400m以上の高原盆地で、冬は氷点下になるほどの厳しさです。一日の気温差が大きいこの地は政府から特別に「高麗人参生産特区」の指定を受けており、町には約1,400の生産農家、そして2,000あまりの高麗人参畑が広がっています。
  最高級の品を求めて韓国全土から人が集まってくる鎮安郡の商店街には、高麗人参がずらり。栽培の歴史は400年にもわたるそうです。


国家機密だった、紅参の製造方法。

鎮安郡の郡庁に「紅参課」が設けられている事実からも、紅参がいかに貴重なのかを窺い知ることができます。
 かつて紅参の製造方法は国家機密として取り扱われており、国の管理下にある専売公社のみ作ることが許されていました。まさに門外不出の妙薬。
紅参が長いあいだ「知る人ぞ知る存在」だったのにはそうした理由があります。
 専売制が終了したのは1997年のこと。
国の基準を満たした民間企業も製造を認められるようになりましたが、素材となる高麗人参の栽培が容易でないため、その希少性に変わりはありません。
「高麗紅参茶」に用いているのは、鎮安郡で中心的な存在である老舗メーカーの紅参だけ。
いわば、政府お墨付きの逸品を使っているのです。